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地域包括ケアで実現する安心の在宅医療—江戸川区・しろひげ在宅診療所

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東京都江戸川区にある「しろひげ在宅診療所」は、地域包括ケアシステムを最大限に活用し、高齢者や慢性疾患を抱える患者の自宅での療養を支える先進的な医療拠点として注目されている。開設から7年を迎える同診療所は、医療提供だけでなく、生活支援や介護、薬局、行政との連携を含む総合的なケア体制を構築することで、患者や家族が安心して在宅療養を続けられる環境作りに取り組んできた。

事務長の黒川氏は「在宅医療は医師や看護師だけで完結するものではありません。地域のケアマネージャーや訪問看護師、ヘルパー、薬局、行政機関など、多様な関係者が一丸となって支えることで初めて安全かつ質の高い医療が実現できます」と語る。医療連携部の北浦氏も「患者や家族の不安を丁寧にヒアリングし、生活基盤の整備や医療体制の確保、費用面の相談まで順序立てて対応することで、病院と同等の安全性を確保しています」と補足した。

しろひげ在宅診療所の特徴は、単なる訪問診療にとどまらず、在宅療養を支える生活全般へのサポートに力を入れている点だ。例えば、寝たきりの患者や一人暮らしの末期患者でも、医師や看護師、ヘルパー、ケアマネージャーといった関係職種が密に情報を共有し、患者の希望に沿った柔軟な対応を実施。薬の管理や栄養、排泄ケアなどの具体的な生活支援まで網羅することで、患者が住み慣れた自宅で穏やかに療養できる体制を整えている。

さらに、在宅医療を希望する家族や患者に対しては、費用や医療体制に関する不安を軽減するための相談窓口を設置。医療・介護の専門スタッフが一人ひとりの状況に合わせたプランを作成し、入院に頼らない生活を可能にする支援体制を整えている。山中在宅研究院長は「在宅医療は患者や家族の意思を尊重しながら、医療の質と安全を両立させることが何より重要です。私たちは地域のネットワークを活用し、可能な限り自宅での最期を迎えられるよう支援しています」と語る。

しろひげ在宅診療所の取り組みは、地域包括ケアの理念を体現するモデルケースとして、今後の在宅医療の普及に大きな示唆を与えている。地域の医療・介護資源を最大限に活用し、多職種間の連携を深化させることで、高齢者や病気を抱える人々が住み慣れた家で安心して暮らし続けられる未来の医療の形を示していると言えるだろう。

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