104歳の患者さんと歩んだ10年。 ~ 訪問診療が支える「人生」と「暮らし」~
今回の「しろひげ先生のしっかり在宅診療10分講座」は特別編。しろひげ在宅診療所で約10年間サポートを続け、このたび104歳のお誕生日を迎えられた患者さんのお宅へ訪問しました。
「104歳のお誕生日、おめでとうございます。」
プレゼントを手渡し、笑顔があふれる診察の時間。
「あと30年くらいは大丈夫ですね。」
そんな冗談を交えながら、いつも通り体調を確認する様子からは、医師と患者という関係を超えた、長年築いてきた信頼関係が伝わってきます。
ご縁は約10年前から
院長が初めて患者さんと出会ったのは、現在のクリニックを開設する以前。当時勤務していたクリニックで夜間対応などを担当していたことがきっかけでした。
その後、しろひげ在宅診療所を開設すると、ご家族から「先生が開業されたと聞いたので、ぜひ診ていただきたい。」と相談があり、現在まで約10年間にわたる訪問診療が始まりました。
在宅診療は「看取り」だけではありません
在宅医療というと、「人生の最期を自宅で穏やかに過ごすための医療」というイメージを持たれる方も少なくありません。
しかし実際には、
・症状に合わせた薬の調整
・体調変化への迅速な対応
・日々の健康管理
・ご家族へのサポート
など、日常生活を支える医療が数多くあります。
今回の患者さんも、薬の調整や継続的な診療を重ねながら、104歳という節目を迎えることができました。長年寄り添い続けることも、在宅診療の大切な役割です。
ご家族が感じた「在宅診療でよかったこと」
診療後、ご家族にもお話を伺いました。最初に挙げてくださったのは、「電話をするとすぐに対応してくれる安心感。」
さらに、「受付の方もとても丁寧で助かっています。」という言葉もいただきました。
以前利用していた医療機関では、「病院へ連絡してあります。」と言われていたにもかかわらず、実際には連携が取れていなかったという経験もあったそうです。そうした経験があったからこそ、「安心して相談できること」「きちんと対応してもらえること」の大切さをより強く感じていただいています。
診療日は楽しみな一日
ご家族によると、診療日には朝からお化粧をして先生を待っていることもあるそうです。
「今日は先生が来る日だから。」
そんな何気ない一日が、ご本人にとって楽しみな時間になっています。訪問診療は医療行為だけではありません。定期的な訪問を通して会話を重ね、人とのつながりを感じられることも、大切な役割の一つです。
主治医が最後まで寄り添う訪問体制
近年では、
・日中担当医
・夜間担当医
を分ける訪問診療所も増えています。
一方、しろひげ在宅診療所では、できる限り日頃診療している主治医が夜間や休日も対応する体制を大切にしています。どうしても主治医が対応できない場合も、普段から一緒に診療している常勤医師が対応。患者さんやご家族が、「いつもの先生が来てくれる。」という安心感を持てるよう、チーム全体で支えています。
在宅診療を中心に広がる地域への取り組み
しろひげ在宅診療所では、
・地域交流
・就労支援
・社会貢献活動
など、さまざまな取り組みも行っています。
しかし、そのすべての原点は在宅診療です。患者さんやご家族が安心して地域で暮らし続けられるよう、必要な支援を広げているだけであり、在宅診療が事業の中心であることは変わりません。
現場に立ち続ける院長だから伝えられること
院長自身も現在も現場で診療を続けています。毎日患者さんと向き合い、夜間や休日の対応も行うからこそ、若い医師にも、「どんな患者さんにも逃げずに向き合う姿勢」を伝え続けることができます。
医療技術だけではなく、患者さん一人ひとりの人生や想いに寄り添う姿勢こそが、在宅医療には欠かせません。
在宅医療には、暮らしを支える力があります
「本当に家で過ごせるの?」
「苦痛は取ってもらえるの?」
「病院に入院した方が安心なのでは?」
在宅医療には、まだまだ多くの不安や誤解があります。しかし実際には、医療だけでなく生活やご家族の想いまで支えることができる医療です。
104歳を迎えられた患者さんとの10年間は、そのことを改めて教えてくださいました。
しろひげ在宅診療所は、これからも患者さん一人ひとりの人生に寄り添いながら、ご本人とご家族が安心して暮らせる在宅医療を提供し続けてまいります。
104歳を迎えられた患者さんと、ご家族、医師との温かなやり取りをぜひ動画でもご覧ください。訪問診療だからこそ築ける信頼関係や、しろひげ在宅診療所の想いを感じていただけます。

