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【後編】「最後まで自分らしく生きるために」―骨転移診療とこれからの緩和ケア

Interview

「最後まで動けること」を支える医療

佐藤科長は整形外科出身であり、骨転移診療を専門としています。
緩和ケアの中でも特に重視しているのが、「最後まで自分の力で動けること」だといいます。

骨転移による骨折や麻痺は、患者さんの生活の質を大きく低下させる要因になります。しかし、早期発見と適切な介入によって、そのリスクを減らすことができます。東京科学大学病院では、整形外科、放射線科、リハビリテーション部門、緩和ケア部門などが連携し、骨転移診療体制を構築してきました。

骨転移に対する早期介入の重要性

骨転移は、画像検査でも見逃されることがあり、進行すると骨折や脊髄麻痺につながる可能性があります。そのため、危険な兆候を早期に発見し、放射線治療や手術、疼痛管理を適切なタイミングで行うことが重要です。

「症状が出てから対応するのではなく、症状が悪化する前に介入することで、患者さんの生活を守ることができます」

佐藤科長は、十年以上にわたり院内の骨転移診療体制づくりに取り組んできました。

リハビリがもたらすもう一つの役割

現在、緩和ケア病棟では約3分の2の患者さんがリハビリを受けています。リハビリは筋力維持だけが目的ではありません。療法士との会話の中で、患者さんの新たな希望や不安が見つかることもあります。

「患者さんが何を大切にしているのか、何をしたいのかを知ることも、リハビリの大切な役割です」
身体機能を維持することだけでなく、その人らしい生活を支えることにつながっています。

これからの緩和ケアに求められるもの

今後、日本では高齢化がさらに進み、緩和ケアのニーズはますます高まっていくことが予想されます。その一方で、緩和ケアを専門とする医師は決して多くありません。

佐藤科長は、「緩和ケアを担う人材を育てること」が大学病院の重要な役割だと話します。東京科学大学では、医学部生が緩和ケア病棟で実習を行い、患者さんやご家族との関わりを学ぶ機会を設けています。また、大学病院だけでなく、地域の病院や在宅医療機関との連携を深め、緩和ケアを支えるネットワークづくりにも取り組んでいます。

地域全体で患者さんを支える時代へ

「病院だけで緩和ケアは完結しません。地域全体で患者さんやご家族を支える仕組みが必要です」

佐藤科長は、そのためには大学病院、地域の病院、在宅医療機関が互いに学び合い、連携を深めていくことが重要だと考えています。緩和ケアとは、人生の最終段階だけを支える医療ではありません。病気とともに生きる患者さんと、そのご家族の思いに寄り添い、その人らしい人生を支えていく医療です。

今回の取材を通じて、緩和ケアの本質は、「患者さんが自分らしく生きることを支えること」にあるのだと、改めて感じることができました。

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