「断らない在宅薬局」として、地域に寄り添い続ける理由
今回は、薬局ニコニコの管理薬剤師、蛭田様に貴重なお話を伺いました。
薬局ニコニコは、開局から約8年にわたり、在宅医療を軸とした調剤薬局として地域医療を支えてきました。
葛飾区・江東区・墨田区・市川市・浦安市を中心に対応し、1つの事業所で約1,100名の在宅患者さんを支えています。
薬剤師は非常勤を含めて約20名、事務・ドライバーを含めると約30名体制。在宅医療に特化した薬局として、地域の多様なニーズに応え続ける体制を構築してきました。
「断らない」ことを大切にしてきた理由
管理薬剤師として一貫して大切にしているのが、「依頼を断らない」という姿勢です。在宅医療の現場では、薬局に断られた時点で、医療機関やご家族は次の相談先を探さなければなりません。その時間や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。
「うちで対応できるのであれば、やるべきだと思っています」
この考えのもと、人員確保や体制整備、設備投資にも積極的に取り組み、さまざまな依頼に応えられる薬局づくりを進めてきました。
門前薬局から在宅医療へ ― キャリアの転機
大学卒業後、大手調剤薬局チェーンに入社。門前薬局での勤務を経て、管理薬剤師、エリアマネージャーとしての経験を重ねてきました。門前薬局は、患者さんが来局して初めて成り立つビジネスモデルであり、競合も多く、家賃や人件費などコスト面の課題も大きい分野です。
一方、在宅医療は、薬剤師が患者さんの生活の場に深く関わる医療。高齢化が進む中で、今後ますます必要とされる分野だと感じたことが、在宅医療に軸足を移すきっかけとなりました。
在宅医療を支える体制と設備
薬局ニコニコでは、一包化調剤を中心とした業務に対応するため、一包化機械を2台、監査システムを1台導入しています。監査システムでは調剤内容を画像で確認し、ヒューマンエラー防止に努めています。
さらに、服薬支援ロボット約30台、カフティポンプ、PCAポンプなど、在宅医療に必要な機器を多数保有しています。医薬品の在庫も約2,500万〜3,000万円規模を確保し、必要な薬剤を安定して提供できる体制を整えています。
夜間・休日も含めた切れ目のない対応
夜間・休日対応や平日の緊急対応を含め、24時間365日対応可能な体制を構築しています。医師の往診後、急きょ処方が必要になった場合にも、オンコール体制で薬剤師が対応できる仕組みを整えています。
「いつでも相談できる薬局がある」その安心感が、医療機関や多職種連携の現場を支えています。
多職種連携で大切にしていること
看護師、ケアマネジャー、管理栄養士など、多職種との連携においては、「分かりやすく、相談しやすい対応」を常に意識しています。電話や情報共有ツールを活用し、現場の負担を増やさないスムーズな連携を心がけています。
人を支えるために、まず環境を整える
管理者として重視しているのは、働きやすい職場環境づくりです。
在宅医療は業務量が多く、体制が不十分だとスタッフが疲弊してしまいます。人員に余裕を持たせ、休みを取りやすくし、スタッフ同士がコミュニケーションを取りやすい環境を整えること。それが結果的に、患者さんへの質の高い医療提供につながると考えています。
今後について
「特別なことをしたいというより、目の前の患者さん1人ひとりに丁寧に向き合っていきたい」
現場のニーズに応えながら、必要な投資と体制整備を続け、在宅医療を支える薬局としての役割を果たし続ける。その積み重ねが、自然と地域に信頼として広がっていく。
薬局ニコニコの姿勢は、これからの在宅医療の在り方を示しています。




















