【第1部】患者さんの「大切にしていること」を地域へ伝える
~できるだけ早く治療を、できるだけ早くリハビリを~
地域に根ざした整形外科診療と、患者さんのその後の生活を見据えた医療
医療法人社団 同愛会病院 副院長 小川 晴規先生
地域に密着した医療を担い、二次救急の医療機関として地域の患者さんを受け入れている医療法人社団 同愛会病院。
今回は、股関節を専門とし、整形外科領域の診療を中心に、高齢者の骨折治療や早期リハビリテーション、地域の医療機関との連携にも携わる副院長・小川晴規先生にお話を伺いました。
年間約400件の手術を行う同院の整形外科診療。高齢者に多い骨折への対応から、骨粗鬆症への取り組み、専門医との連携、退院後のリハビリテーション、そして地域における病院の役割まで、率直にお話しいただきました。

同愛会病院・整形外科では、年間約400件の手術を行っています。そのうち約8割を占めるのが外傷による手術で、特に高齢者の骨折が多いといいます。一方、残りの手術では、股関節や膝の人工関節など、慢性疾患に対する治療も行っています。近年は、こうした慢性疾患に対する手術も少しずつ増えてきているそうです。
小川先生の専門は股関節。日々、多くの高齢患者の診療に携わる中で、特に大切にしているのが、「できるだけ早く治療を行うこと」と、「できるだけ早くリハビリテーションを開始すること」です。
高齢者の骨折治療で大切にしている「早さ」
高齢者の骨折では、骨折そのものだけが問題になるわけではありません。長期間ベッドで過ごすことによって筋力が低下し、歩行能力や日常生活動作にも影響が出る可能性があります。そのため、手術を行う患者さんについては、できるだけ早く治療を開始し、その後のリハビリテーションにつなげていくことを重視しています。
「高齢の患者さんが多いのですが、高齢者の場合、寝ている時間が長くなると、どうしても筋力がどんどん落ちてしまいます。そのため、できるだけ早く治療を始めることが重要だと考えています」
これは術後だけの話ではありません。可能な限り早く手術を行い、術後も早期にリハビリテーションを開始する。治療そのものだけではなく、患者さんが再び日常生活へ戻っていくところまでを考えて診療を行っています。
「術後だけということではなく、術前からできるだけ早く手術を行い、その後もできるだけ早くリハビリテーションを開始することを心がけています」
高齢者の骨折治療では、治療期間中に身体機能をできるだけ落とさないことが、その後の生活を支えるうえでも重要になります。
骨折をきっかけに、骨粗鬆症にも目を向ける
高齢者の骨折を診療する中で、もう一つ重要になるのが骨粗鬆症です。骨粗鬆症の治療を受けていないまま骨折し、入院する患者さんも少なくありません。
そこで同愛会病院では、大腿骨頸部骨折や圧迫骨折などの患者さんについて、骨粗鬆症の治療を受けていない場合には、入院中に骨密度などの検査を行っています。そして、検査だけで終わらせるのではなく、退院後も継続して治療を受けられるようにつなげています。
「骨折をして入院される方でも、それまで骨粗鬆症の治療を受けていたという方は、決して多くありません。入院をきっかけに検査を行い、その後も継続して治療を受けていただけるようにすることを心がけています」
骨折を治療するだけではなく、その背景にある骨粗鬆症にも目を向ける。再び骨折するリスクを考えながら、退院後の生活まで見据えて治療をつなげていくことも、同院の整形外科診療の特徴の一つです。

医療法人社団 同愛会病院
副院長 小川 晴規先生
<経歴>
1993年、順天堂大学卒業。日本整形外科学会専門医。股関節外科、膝関節外科、人工関節、骨折を専門とする。現在は医療法人社団 同愛会病院の副院長として、整形外科診療に携わる。高齢者の骨折治療や早期リハビリテーション、骨粗鬆症への対応などにも取り組んでいる。

