第1部 自律神経を整える「健康の三種の神器」
順天堂大学医学部附属 順天堂医院
総合診療科・病院管理学 特任教授
小林弘幸 先生
医療従事者向けプラットフォーム「しろひげコンシェルジュ」では、さまざまな分野で活躍される先生方にお話を伺っています。
今回は、順天堂大学医学部附属 順天堂医院 総合診療科・病院管理学 特任教授の小林弘幸先生に、自律神経の基本的な考え方から、生活習慣、ストレス、睡眠、パフォーマンス、そして医療従事者自身の健康まで、幅広くお話を伺いました。
「食事・睡眠・運動。この3つが最も重要です」
-自律神経を整える上では、交感神経と副交感神経のバランスが重要だと思います。日常生活の中では、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。
生活習慣ということでいえば、私は「健康の三種の神器」と考えています。
それが、食事・睡眠・運動です。
この3つが最も重要で、結局は、これをどのように実践していくかがすべてだと思います。自律神経は、簡単にいえば「ライフライン」です。ライフラインが整っていれば、血流が良くなる。の血流を良くするために生活習慣を整える。その手段が、睡眠、食事、運動ということです。
そして、自律神経にとって最も大きな問題となるのが、ストレスです。眠れなければ、それ自体がストレスになります。運動ができないこともストレスになりますし、食事も、食べられなければストレスになります。反対に、食べ過ぎてもストレスになる。つまり、ストレスは自律神経をコントロールする上で、できるだけ排除していく必要があります。
-服装などについても、リラックスできるものの方がよいのでしょうか。
楽な服装であれば、楽な服装の方がいいと思います。「窮屈だ」と感じた瞬間に、それ自体がストレスになりますから、あまり良くありません。
「窮屈だ」と感じること自体がストレスになる
食事も同じです。腹6分、7分程度がよいという考え方がありますが、満タンになってしまうと、それも一つのストレスになります。
仕事も同じで、10割の力で取り組み続けると、ミスも起こりやすくなる。7~8割程度、少し余裕を残すくらいの方が、結果的にうまくいく。
何事も、適度であることが重要なのではないでしょうか。
睡眠時間は「7時間」という数字だけでは判断できない
睡眠については、一般的に7~8時間程度がよいと言われることもあります。睡眠に関しては、ショートスリーパーとロングスリーパーがいて、これは遺伝子によって決まっています。
例えば、私は完全なショートスリーパーなので、4時間以上寝ると体調が悪くなる。4時間くらいがちょうどいいんです。一般的に7時間という数字が示されることがありますが、ショートスリーパーの人もいれば、ロングスリーパーの人もいる。7時間というのは、そうした個人差を含めた平均的な数字なのだと思います。ですから、睡眠時間についても、単純に数字だけを見るのではなく、それぞれの体質を考える必要があると思います。

順天堂大学医学部附属 順天堂医院
総合診療科・病院管理学 特任教授
小林弘幸 先生
<経歴>
1987年、順天堂大学医学部卒業。1992年、順天堂大学大学院医学研究科修了、医学博士取得。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科での勤務などを経て、順天堂大学医学部小児外科助教授、同大学医学部病院管理学研究室教授を歴任。現在は、順天堂大学 健康総合科学先端研究機構 特任教授。研究分野は、病院管理学、総合診療科学、スポーツ医学など多岐にわたる。

