【第2章】「病院に来ない人」にどう向き合うか

Interview

順天堂大学大学院医学研究科 先端予防医学・健康情報学講座 総合診療科
教授(特任)福田 洋先生

1.病院に来ていない人に目を向ける

糖尿病の診療を例に考えると、糖尿病と診断された人のすべてが継続的に治療につながっているわけではない。

糖尿病であれば、治療につながっている人が約半数にとどまっている。

では、治療につながっていない人たちは、どこにいるのだろうか。

働いている人であれば、病院ではなく、日々の生活や仕事の場にいることも考えられる。このように考えると、医療機関を受診している人だけを対象とするのではなく、病院に来ていない人にどのように健康支援を届けるかという視点が重要になる。

特に働く世代においては、「職場」を健康支援の場として捉えることが、予防医学や産業保健を考える上で重要な視点となる。

2.職場を健康支援の場として考える

病院は、基本的に「病院に来た人」を診る場所である。一方、企業では、医療機関を受診していない働く人にも接することができる。この違いは、予防医学を考える上で重要になる。

病院の外にいる人にどうアプローチするか。

この問いが、産業保健や健康経営につながっていく。

ポイント

・医療機関を受診している人だけが健康支援の対象ではない
・働く人にとって、職場は重要な健康支援の場になる
・予防医学では「病院に来ていない人」へのアプローチが重要
・産業保健は、医療機関の外で健康を支える役割を持つ

章のまとめ

予防医学を考えるときには、「病院に来た人」だけを見るのではなく、「病院に来ていない人」にも目を向ける必要がある。


順天堂大学大学院医学研究科
先端予防医学・健康情報学講座 総合診療科
教授(特任)福田 洋先生

<経歴>
1993年、山形大学医学部卒業。1999年、順天堂大学大学院医学研究科(公衆衛生学)修了、博士(医学)取得。同年、順天堂大学医学部総合診療科助手となり、講師、准教授、先任准教授を歴任。2020年より順天堂大学大学院医学研究科 先端予防医学・健康情報学講座 特任教授。現在は総合診療科を兼任し、本郷・お茶の水キャンパス健康安全推進センター統括産業医も務める。予防医学、ヘルスリテラシー、産業保健、健康教育・ヘルスプロモーションなどを専門とする。


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